「アコースティックギターは弾くほど音が良くなる」
という話を聞いたことはありますか?
アコースティックギターを弾かれている方ならば、このような会話を楽器屋さんか音楽仲間の間で聞いたことがあるかもしれません。
実はこの「鳴っている」という感覚(の一部)は定量的に測る事ができます。
下記は市販のオーディオアナライザーという機械で測定した結果です。
測定画面の横軸は周波数帯(音の高さ)を示していて、右にいくほど高い音。縦軸は音量です。
在庫していたアコースティックギターの音を測定してみました。
この各周波数帯がなだらかになる方が良い音です。(聞きやすい、まとまりのある、バランスの良い音)
一方で波形がジグザグになっている音は、まとまりのない音に感じられます。
繊維とギターの音の関係
さて、少し話が変わりますがギターの音の特徴を方向づけるトップ板など木材は、ぐっとズームアップして見てみると繊維が集まって構成されていることが分かります。木材を構成するこの繊維、長いものから短いものまであるのですが、長い繊維は低い音と、短い繊維は高い音と共振します。
木材の中の様々な長さの繊維が、弾いた弦の周波数帯と共鳴(共振)することで、アコースティックギターならではの音色が形作られているのです。
そして、繊維はいつまでもそのままの形ではなく、経年変化や外部からの影響で、長い繊維が折れて短くなります。
繊維が折れて短くなるということは、それまで低い音に共振していた繊維がなくなり、高い音に共振する繊維が増える、ということになります。
繊維の長さを調整できるか
ここまで読み進めてみて、勘の良い方はお気づきかと思いますが、「繊維の長さを自分でコントロールできれば(意図した)良い音に近づくのでは?」という仮説が浮かび上がります。
「ワイングラスを声で割る」という動画を見たことがありますか?
既にyoutuberの方には使い古されたネタのようです。。
これは魔法ではなくて物理の知識で説明できる現象です。
ワイングラスが共鳴・共振する特定の周波数をグラスに当て続けると、グラスは振動し始め、次第に振動が大きくなります。
振動とは「変形と元に戻る動きの連続」ですが、この変形に耐えきれなくなったグラスはパキッと割れてしまいます。
これと同じ原理を用い、ギター(の木部の中のそれぞれの繊維)に対して共振する周波数を当てることで、繊維の長さをある程度調整するのがヘッドウェイ・ウッドイコライジングシステムの概要です。
完成したてのギターは特に低音が大きく出たり、少し鳴りがぎこちないところがありますが、このウッドイコライジングシステムを通すことで、先述の周波数分布の山をならして「良い音」に近づけます。
「アコースティックギターは弾くほど音が良くなる」という話の一側面は、ここで述べてきた「木部の繊維と共振」という理屈で説明できます。
「ギターを弾いて育てる」という流れをギターの最初期に一定量施して、買ったばかりのギターがすぐに良い音で楽しめるのがウッドイコライジングシステムの良いところです。
ウッドイコライジングシステム施工前(青)と施工後(赤)を比較した折れ線グラフ。施工前では特に高音域が低いのに対して、施工後は持ち上がっている。
ヘッドウェイの全てのギターにこれを施せれば良いのですが、現段階では設備の理由で限定的にしか行うことができません。
2020年限定モデル Headway ATBシリーズの2020HD-501 A,S/ATBと2020 HOM-501 D,A,S/ATBには、全ての個体にウッドイコライジングシステムを施工しております。
ピックガード貼られている「ヘッドウェイウッドイコライジングシステム」のロゴステッカーが目印です!
店頭でお見かけの際には、ぜひ試奏の上サウンドのバランスをお確かめください。
Headway ウッドイコライジングシステムは下記のモデルでお試し頂けます。
2020 HD-501 A,S/ATB
希望小売価格・・・¥350,000(税抜)※限定15本製作
2020 HOM-501 D,A,S/ATB
希望小売価格・・・¥350,000(税抜)※限定15本製作
Headway Wood Equalizing System特設サイト
http://www.deviser.co.jp/wes