カスタムショップビルダー・降幡 新
高校生のときに見た百瀬の背中に憧れてギターの道に進みました。こうしてヘッドウェイのギター作りに携わっていることを嬉しく思うとともに、ヘッドウェイのギターを楽しんで頂いているユーザーの皆様の期待に応えなければならないと感じています。
飛鳥チームビルドとカスタムショップの両立は大変ですが、それぞれに考える部分が異なり、学びも多いです。
私のカスタムショップのスタートは「百瀬からの課題」でした。はじめに百瀬から提示された「仕様書」は力木の幅・高さ一本一本まで全部寸法が違い、すべて厳密に決めてありました。
飛鳥チームビルドシリーズの製品は百瀬の作るギターの仕様から設計上、作業上若干の簡略化をするのですが、このときのギターはブレイシングをすべて一から手削りするなど、百瀬の作り方を追う様なギターづくりでした。
このギター作りを通じて、百瀬ははるか上のレベルで仕事をしているということを改めて実感しました。百瀬には仕上がりが見えているので、その上で刃を進めていくからスピードも早い。
私はまだ百瀬と同じ様なスピードではできませんが、一つずつ測りながら、音を確かめながら、丁寧に仕上げています。
カスタムショップではトラディショナルなアコースティックギターを本筋としながら、ワンポイントで他のギターには無い個性を込められたら、と思っています。
自分の考える「ヘッドウェイらしさ」を追求しながら、ユーザーの方に安心して楽しんでいただけるギターを作っていきたいと考えています。