【完成報告】特注アコギ製作レポートその6

前回ネックの仕込みまで進み、いよいよ組み立てといった状況だったショップオーダーのアカエゾマツギターですが、先日完成しましたのでご報告です。


↑安井による組み立て作業中。

今回の製作はわずかHDモデル2本、HFモデル2本という希少モデルとなっております。その一本一本に対して丁寧にナット溝の削りを行っております。

画像だと分かりづらいのですが、ナット溝調整は下記の流れで進みます。

1・弦を張り、レギュラーチューニングに設定する

2・弦と1F上の隙間を目視で確認する

3・弦を緩め、弦をナットから外す

4・ナット溝を切る(削る)

1〜4を繰り返す

注)ナットは削り過ぎると元に戻せないため、削りすぎは厳禁

ギターを弾く方はすべからく弦交換をしていると思いますので、上記作業がいかに時間と手間が掛かることかはイメージしやすいのではないでしょうか。

ギター製作の現場としては、適正値に対していかに手数を少なく仕上げるかが作業する上で非常に重要になります。

・・・

こういった諸々の組み立て作業を経て、ギターが遂に完成いたしました!

 


HD-115 A,S/ATB AKAEZOMATSU

 


HF-415 A,S/ATB AKAEZOMATSU

ヘッドウェイの伝統的なスタイルのギター「HD-115」、「HF-415」を基本仕様に据えて、北海道産の極上赤蝦夷松(アカエゾマツ)をボディトップに使用しました。

↑物量が圧倒的に少ない希少なアカエゾマツながら、まっすぐに目が通り、詰まった美しい木目です!

↑サイドバックのインディアンローズウッド、指板のエボニーもストックの中から良質材を厳選しました。

↑ヘッドに入れられるブロック体のヘッドウェイロゴ。いつもは白蝶貝という明るい貝を埋め込みますが、今回のギターではマスタービルダー安井の提案で、ボディトップのアカエゾマツの色味に合わせてあえて黄蝶貝という少し黄色みを持った貝を選びました。

細かなところですが、ギター全体を眺めた時に色彩のトーンがまとまり、新品ながら少しビンテージギターにも見えるような風格が生まれました。

アカエゾマツは普段ヘッドウェイで頻繁に使用するシトカスプルースなどスプルース材に比べて柔らかく、完成したギターも繊細なサウンドを奏でます。ここからさらに弾き込んで頂くことで倍音成分が増え、広がりのあるサウンドにつながる期待感も十分でした。

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このギターは北海道の楽器店モップトップス様にてお求め頂けます。北海道のお店ならではのエゾマツを使ったギターです。

このギターについての詳細、お問い合わせはモップトップス様までお寄せいただければと思います!
モップトップス様ウェブサイト(デジマートお店様ページ)
https://www.digimart.net/shop/42/

 

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