WDGブログ【ピックアップの高さ調整】

工房がある長野県松本市はすっかり秋模様で、肌寒いですが過ごしやすい日が続いています。マフラーやこたつを出すのも目前な気がしています。
広報スタッフのハシモトです。

さて、今日は以前ご紹介したエレキベースの弦高調整に続いて、ピックアップの高さ調整についてご紹介したいと思います。

ピックアップの高さ調整で何が変わる?

ピックアップは、弦振動を電気信号に変換する役割を持っており、サウンドに関わる重要なパーツです。いわばマイクのような役割であり、ピックアップの高さを調整することで、音量や出力の調整が可能となります。

ざっくりですがピックアップの高さがもたらす影響と仕組みについてご紹介します。

ピックアップの高さが適正でない場合、アンプから聞こえるサウンドに影響が出ます。高すぎても低すぎても悪い影響が出てしまいますので、影響が出ない範囲で調整を行います。

ピックアップと弦の距離が遠い場合・・・音量が下がる、アタック感が弱くなる、音量が下がるためノイズが大きく聞こえる
ピックアップと弦の距離が近い場合・・・音量が上がる、ピッキングニュアンスが出やすい、近すぎるとマグネットの磁力により弦振動に異常が出てしまう、バズやビリつきが出る、音程やオクターブチューニングが合わない

ネックは正常なのにビリつきが治らない方はもしかするとピックアップの高さが影響しているかもしれません。新品のモデルをご購入いただいている方はあまり気にしなくて良いかもしれませんが、中古での購入や頂き物の場合は一度お手元のモデルをお確かめいただくと良いと思います。


ピックアップは高さが調整できるように組み込まれており、ボディとピックアップの間にスポンジが入っています。ピックアップを固定しているビスを回すことで高さの調整が可能となります。
中身を開けてみると構造がよくわかるのですが、開けたことのない人は新鮮かもしれないですね。

ビスを緩めると・・・スポンジの弾力でピックアップの高さが上がる=弦とピックアップの間が狭くなる
ビスを締めると・・・ピックアップの高さが低くなる=弦とピックアップの間が広くなる

弦の太さにも違いがあるのでそれに合わせた高さ調整が必要となります。

Workshop Deviser Guitarsの出荷時調整

WDGでは弦高調整が完了したのちにピックアップの高さを調整します。
弦高調整後、スケールとドライバーを使用してピックアップの高さを確認し調整します。


※スケールの端がゼロから始まるものを使用しましょう!


フロントピックアップとリアピックアップの1弦と4弦をそれぞれ確認します。

Workshop Deviser Guitarsにて制作される4弦ベースの基準の弦高数値として
フロントピックアップ:おおよそ4弦が5㎜、1弦が4㎜
リアピックアップ:おおよそ4弦が4㎜、1弦が3㎜

になるよう調整を行っています。※寸法はあくまで弊社の基準となりますので、お好みで調整いただくのが良いかと思います。


この時弦は何も抑えない状態(開放)で計測しています。


規定の寸法になるように、ドライバーでビスを回して調整します。


最後にアンプから音を出してサウンドチェックをします。

このような流れで調整が行われています。職人による細かな調整が行われた安心のモデルに仕上がります。

以上、ベースのピックアップ高さ調整についてご紹介いたしました。
ぜひ一度お手元のモデルを確かめて見てはいかがでしょうか。

※ご自身にて作業いただく場合は全て自己責任となりますので、作業が不安な方はお近くの楽器店様へご相談ください。

次の更新をお楽しみに。