WDGブログ【音の要 ナットの加工作業】

こんにちは。Workshop Deviser Guitars広報スタッフのタケウチです。
気づけば9月に入り、朝晩も涼しくなりました。体調に気をつけないといけませんね。

ナットの加工作業

今日は弦楽器の音の要でもあり、トラブルの原因にもなりやすいナットの加工作業を紹介します。
経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、貼っている弦の太さとナットの溝の幅が合わないと音がビビってしまいます。ギターの最終的な品質や音を決める組み込みの作業では非常に大切な作業です。

こちらはまだ加工がされていない状態です。ナット以外の箇所をおおよそパーツの取り付け等は終わっています。弦が張られてナットの溝切り作業を残しています。

ナットの加工作業スタート

まず1弦からスタートです。弦落ちしないようにナット端から距離を置き、溝となる箇所に印をつけます。
ヤスリやスケールで印をつけたら、1弦から全ての弦のポジションにヤスリを入れ、溝を作ります。

溝を作ることができれば、あとはそれぞれ各弦の太さにあった溝の幅や太さに溝を広げて仕上げていきます。

最後に深さの確認と調整

ナットの溝の幅が広すぎれば音のビビリの原因になります。
またナットの溝の深さが深すぎれば、フレットに対する弦の高さが低くなり開放弦で音がビビってしまいます。逆に溝が浅すぎては弦が高すぎて1Fを押さえた時に、弦が深く沈みこみ音程が高くなってしまいます。

上の写真のように1Fを押さえた状態で何度も確認し、適正なナットの溝の深さに仕上げます。

仕上げもキレイに。

ナットの溝の加工を終えたら、あとはヤスリがけで綺麗にします。荒い目のヤスリから細かいペーパーへと変えピカピカに仕上げます。あともう一手間。溝を弦がスムーズに通るようにオイルで仕上げます。

最後にリテイナーを調整し、ナットの加工作業終了です。
エレキギターやベースにかかわらず、弦楽器は弦が通る箇所が非常に大切です。今回紹介したナットもそのひとつ。ギターの組み込みには気を抜けない作業がたくさんあります。それではまたの更新を楽しみに。