「神様のいた時代の木」や「神様に代わった木」という意味を持つ「神代木」。

材料や原料のために伐採された木々ではなく、倒木が水や火山灰、地中の中で腐敗することなく幾年もかたちを残すことがあります。
その土や水、灰のなかで埋もれていた木のうち、千年以上埋もれていたものは「神代木」と呼びます。
神代木は偶然でしか見つけられず、土砂災害や土木工事の際、稀に姿を現します。

写真の神代タモは、一度火山灰に埋まり、その後、沼に沈んだと聞いています。
もともとのタモ材は野球のバットに使用され、木目は豊かで色は白いのが特徴です。また、楽器に使用される木材のなかではアッシュに良く似ているといわれています。
この神代タモは、無着色の段階で深く鈍い灰色をしています。おそらく灰や地中の成分が影響しているのでしょう。
さらにカーリー杢やフレイム杢といわれる杢を有し、塗装された段階では人工では生み出せない深みを感じます。

この杢がでた神代タモは和材のなかでも別格の希少性を誇り、工場のなかでも希少材中の希少材です。