皆さんこんにちは。
年を重ねるごとに手のアブラっけが無くなっていく筆者ですが、これはみなさんも同じなんでしょうか。。スーパーのビニール袋が開けなくなったり、冬に指先がパックリ割れてしまったりと、乾燥まわりには悩まされる様になってしまいました。
一見人間サマだけの話の様に聞こえますが、適度な保湿が大事なのはギターもベースも同じこと。ギター(エレキギター)にとっての保湿ポイントといえば、塗装されておらず木肌がむき出しの「指板面」という事になります。
この指板を定期的にメンテナンスしてあげると、ギターもきっと喜びますし、そんなギターをお持ちのアナタは紳士・淑女なギタリストとして部活やサークルでの周囲のミュージシャン仲間からも一目置かれる事でしょう。
さて、そんなわけで今日は指板面のケアを中心にご紹介してまいります。
早速本日のギターです。
今日のギター
STR Guitars Sierra series LJ1
指板の種類とヨゴレ
主に指板に使用される木材と言うと「ローズウッド」「メイプル」「ウェンジ」「エボニー」「パープルハート」がありますが、傾向としては木材の中でも硬かったり、目の詰まった木目の木が多いです。
これは、指板面が演奏上・構造上強度を必要とされる重要な場所であることを示しています。ネック側は塗装されているものの、指板面は無垢であるものがほとんど。塗装によって保護されていないだけに、注意深くケアしてあげたいところです。
木肌が見えている指板面にとって、ヨゴレといえば手垢。夢中で練習すればするほど手垢が付いてしまうのは当たり前のことといえます。
練習後の乾拭きが大事ですが、そうは言っても弦は張ってあるし、拭きづらい!フレットの際にたまっていく手垢をどうすることもできずに忘れてしまうのが人間のサガというものかもしれません。
今日は弦交換のついでに指板もフレットもピカピカにしてやりましょう。
準備するもの
ギター職人のフィンガーボードオイル、乾拭き用の(普段使っている)クロス、交換用弦、つまようじ、ストリングワインダー、マスキングテープ
手順その1
ギターの弦を外しておきます。外した弦をメンテナンス後もう一度張っても良いですが、切れやすかったり作業がしづらかったりして面倒なので、個人的には弦交換のタイミングでメンテナンスすることをオススメします。
チューンOマチックやフローティングしているトレモロブリッジが付いている場合は、弦を外すと色々セッティングが変わってしまう恐れがあるので、動かないように固定しましょう。
手順その2
指板面を乾いたクロスで拭き、ホコリなどを払います。フレットと指板面の際に手垢が付着していることがあります。つまようじで少しずつポリポリ落としてあげるとメンテ後の達成感が高まります。
手順その3
新品だとまだオイルが浸透しておらず白色の状態。ポスカの様にペン先を押し付けてオイルが降りてくるのを待ちましょう。
フィンガーボードオイルのキャップを外し、ペン先までオイルが浸透している事を確かめます。ペン先を指板に当て、導管と同じ方向に軽く滑らせながら塗っていきます。
沢山塗るとどうなるか
メンテナンス用品について、「適量」が分からず「たくさん塗ると良くないんじゃないか」と不安になる方が沢山いらっしゃいます。確かに塗りすぎると一時的にベタベタになりますし、見た目も感触も良くないですが、いわば致命傷につながることはありませんのでご安心ください。
フィンガーボードオイルは指板の表面をわずかにコートする様に付くだけで、木部に浸透して木が膨らんでネックが動いて、、、という程の影響は与えません。
多量に塗ってしまった様に感じる場合は、その後乾拭きの際にしっかり拭き取ってください。
ちなみにゴシゴシ磨いて何事も無かったかのようにしてしまうと、今度はオイルが全て拭い去られフリダシに戻ります。自分なりに適度なところを見つけて粛々と作業しましょう。
※結局「適度」問題は解決してませんが。。
手順その4
乾拭き用のクロスを使用して、塗りムラが無くなるように軽く磨きます。指板面に対して均等に広げましょう
手順その5
交換弦を張り、チューニング、各種調整を行えば作業完了です。
最後に
潤った指板面を見ると、それまでに比べてしっとりとしたツヤが出て高級感が増したように感じます。ぜひお手元のギターも指板にツヤを与えて、大事に長く弾き続けてくださいね。
なお、指板用オイルはBacchus製品などの「オイルフィニッシュ」製品にはお使いいただけません。オイルフィニッシュのメンテナンスには専用のオイルワックスをご使用ください。