製品番号:212
※限定1本製作
松本産のアカマツと桜(ソメイヨシノ)を使用
ヘッドウェイでは初めて「松本産アカマツ」を使用したこの機種。虫食いのため伐採せざるをえなくなってしまったアカマツをボディトップに使用しています。アカマツの中でも特に目の通ったきれいなものを厳選して使いました。
HTの小振りなボディだからこそ選択できる素材の幅が広がります。
そしてアカマツと組み合わせられる桜もなんと松本産のソメイヨシノ!
日本の木をギター作りに少しずつ生かしてきたヘッドウェイと飛鳥ファクトリーの一つのマイルストーンとも言える印象的な一本です。
アカマツギタープロジェクトについては下記をご覧ください。
ヘッドウェイが考える究極のトラベルギター
型式のHTは「ヘッドウェイ・タイニー」の意味が込められています。
ヘッドウェイマスタービルダーの降幡 新が主な設計を担当し、製作における重要な部分も同じく降幡が携わりました。
月に30本近くを製作するヘッドウェイATBシリーズにおいてHTの生産割合は抑えられています。これにはギター製作上の手間が大いに影響しており、通常アコースティックギターを製作するために必要とされる治具(型や道具)は複数同じものを用意しており、一定の量産に対応出来るようにしています。しかし、このHTはその小さなボディの構造上、型を使えず手作業でなければ加工できない箇所があります。
それがボディサイド部分です。
画像中の鉄製の型はヘッドウェイのHNシェイプ用。そのHNの型に対して更にネック側とボディエンド側を小さくする追加のスペーサーが加わっていることが分かります。
まず熱湯で煮込んだサイド板をHN型のアイロンで曲げ、HNのシェイプに曲がった板を、手作業でさらにHTの形に曲げていきます。一度熱を加えて曲がった板も、そのまま放置すれば元に戻ろうと動きます。曲げたあとの板を画像の通りHN+HTアタッチメントの型にはめ込み、ネックブロック、エンドブロックとともに接着して固定します。
この様に一本一本を文字通り手作業で形作ることで完成したHTモデル。その設計上のこだわりは「小さいボディの手軽さとフルサイズギターの様なリッチな音色の両立」という課題をいかに実現するか、という一点に向けられたものです。
スケールもこれ以上小さくすると音が弱くなるギリギリと判断した610mm。ボディエンドの大きさも、低音域をはじめとしたギターサウンドのボリューム感を維持するために、小振りなボディシェイプの中でもサイズダウンを最小限に抑えました。
ボディマテリアルと降幡が生み出したボディシェイプの組み合わせによるコラボレーションを是非お確かめください。