ネックグリップはどのギタリストにとっても大きな関心ごとの一つ。ナットの幅、ネックの厚み、握った感じなどなど弾く人それぞれに好みがあり、慣れたグリップのギターは演奏もしやすいものです。
「グリップをどういった形状にするか」検討する場合、ヘッドウェイでは特に「音への影響」そしてもちろん「弾き心地への影響」を考えます。
近年のヘッドウェイのネックグリップはほぼ一つの形状を中心に製作していました。社内ではナローVと呼ぶこのグリップは、ネックの厚みの頂点、山が少し高い形状。そのまま山の勾配が緩やか(Uの字状)だと全体的に太く感じられてしまうため、山の両側の肉を落とすことで、結果としてVに近いシェイプです。
ネックが太い(=質量が大きい)ことで、音質面にメリットがあります。それぞれ音の芯が太くなり、コードストロークした際の各弦の分離も良く、和音でありながら各音の存在感が損なわれません。また演奏面においては、山が高いながらも肉が落ちてシャープな形状のため、握ったときの感覚はすっきりしており、「ネックが太い」という感覚が薄いながらも音は太い。という、特に弾き語りやピックでストロークするスタイルとしては好まれる仕様です。
一方でこのナローVが敬遠される理由は「ネックが太く、弾きづらい」です。
新しい500ラインナップは従来のネックグリップの山よりも厚みを-1mm程度抑え、それに合わせてネックの肉付きも調整し、いわゆる「U」に近いグリップ形状にアレンジしました。厚みが抑えられたネックは演奏性の面でメリットになります。ローコードからハイポジションまで広く移動するプレイスタイルの場合、恩恵は特に明らかになります。
ピックでも指弾きでも弾きやすい、オールラウンダーなギターを意識した500シリーズにはこの新しいヘッドウェイのスリムUグリップを採用しています。