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HD-115をベースにしながら全てのコンポーネントの設計やサイズを見直し、音質と強度を犠牲にせずに極限の軽量化を施した
HD-115 Feather PRT #Y62
2020年5月25日Web公開「ディバイザー商談会」出展品
https://www.deviser.co.jp/headway/cus...
・製作者・安井雅人によるコメント
HD-115をベースに新設計したの「Featherシリーズ」のプロトモデルです。ボディーマテリアルはアディロンダックスプルーストップにインディアンローズサイドバックとシンプルで通常の115からの音の違いが分かりやすい組み合わせにしました。 比較のため、同じ仕様で材違いのモデル、Y63も製作しています。本機の最大の特徴は極限まで肉を落し、軽量化を施したことです。指板やブリッジ補強、ネックブロック、トップ材の材厚、サイドバック材の材厚やヘッドの厚み等ありとあらゆる箇所において厚みやボリュームを調整しました。もちろんギターとして必要な強度は保てるように、軽量化にあたって厚みやボリュームを落した分、加工形状や補強方法にさまざまな工夫をしました。
ヘッドのペグにはGOTOH SXB510Vを採用しました。このペグは軽量でありながらポストのブレが無く高精度にチューニングできるGOTOHの傑作品です。ヘッド厚も通常のHD-115よりも1㎜薄く加工し、ヘッドが軽くなる事でネック全体の振動性が増しボディーへダイレクトにその振動が伝達されるようにしました。
ネックはY52でも採用したカーボン補強の「ハイストレングスネック」に、特殊ベアリングを追加したトラスロッドによる「ツイストレス・トラスロッド」という二つのHeadwayの新しい技法を取り入れています。カーボン補強によりネック自体の強度が増しネックの不要な反りを抑制することによりサスティーンが伸び、高音域の振動を妨げずボディーへと伝えます。
補強によってネック自体も薄くすることができ、エクストラスリムUグリップで演奏性を高めました。ボディー部の軽量化はトップ材の厚みを通常よりも0.4mm薄くした上でY31でも採用したグローブド・ブレーシングを施すことにより必要な強度を保っています。
ボディーとネックの接合部であるネックブロックもサイズダウンし軽量化を計りました。指板とブリッジも合わせて薄く加工しています。通常のローズウッドサイドバックのHD-115は平均約2.2kg前後の重量ですが、この新設計の「Featherシリーズ」の重量は1.9~2.0kgと約1割減の200gほどの軽量化を実現しました。実際に手に取って比較するとこの200gの違いは大きく、演奏時や運搬時のストレスが大幅に減少すると体感して頂けると思います。設計の変更に従ってサウンドのボイシングにも調整を加え、迫力ある中低音と伸びやかな高音を実現しています。是非新しいFeatherシリーズを手に取って弾いてみてください。